シミのメカニズム

2025年4月20日

, ,

シミのメカニズムについて

紫外線が強くなり、シミが気になり始める季節になりました。今回はできるだけ分かり易くシミのメカニズムについて解説していきたいと思います。
さて、そもそもシミとは一体なんでしょうか。

シミの正体

化粧品や美容に興味のある方ならおそらくご存知かもしれません。
シミのもとはメラニンと呼ばれる褐色の色素です。メラニンは皮膚組織(表皮、真皮、皮下組織)の表皮の一番下の基底層に散在しているメラノサイトという細胞により作られます。作られたメラニンの褐色の色素は黒い日傘と同じように紫外線ダメージを吸収する働きがあります。そのため、紫外線を浴びるとメラノサイトは、メラニンを大量に作り、細胞の上を日傘のように並べて大切な遺伝子が傷つくのを守っているのです。
しかし、紫外線や加齢、女性ホルモンのバランスなどの影響を受け、メラニンの生成と排出のバランスが崩れるとメラニンが蓄積します。この蓄積したメラニンが皮膚に色素沈着した状態がシミなのです。

ターンオーバーを整えシミを排出

シミがあると、肌が部分的に茶色に見えたり、肌に色むらが生じてくすんで見えたりします。
メラニンはもともと無色透明でチロシナーゼ(酵素)が何度も反応をすることで、褐色になります。健康な肌であれば、メラニンが余分に生成されてもターンオーバーによって肌表面へと押し上げられ、最終的には古い角質とともにはがれ落ちます。健康な肌であればターンオーバーは28日周期ですが、加齢などによりターンオーバーが遅れると、メラニンの排出が滞って蓄積・色素沈着し、シミになるわけです。

シミの原因

シミができる原因は主に6つあります。

1つ目は紫外線です。
紫外線を大量に浴びるとメラニンが過剰に生成され、シミの原因になります。

2つ目は活性酸素です。
呼吸やストレス、紫外線、喫煙、食品添加物など、さまざまな原因で発生します。活性酸素が発生すると細胞の酸化を防ぐためにチロシナーゼが活性化し、メラニンが過剰に生成されることでシミが発生しやすくなります。

3つ目は加齢です。
肌の代謝機能も低下し、ターンオーバーが遅くなり、メラニンの排出も滞るため、蓄積・色素沈着が起こり、シミにつながります。

4つ目は女性ホルモンのバランスの乱れです。
メラニンの生成が高まり、色素沈着が生じます。

5つ目は慢性的な摩擦です。
ナイロンタオルやフェイスタオルでゴシゴシと肌をこすったり、マッサージやクレンジングの際に力を入れすぎたりすると慢性的な摩擦につながります。

6つ目はアレルギーや強い刺激です。
皮膚が炎症を起こし、炎症がおさまったあと、色素沈着によるシミが生じることがあります。

シミから肌を守るために

このようなシミの原因をできるだけ排除し、シミをできるだけ避けるために摩擦を起こさない洗顔、ターンオーバーを促す保湿、メラニンの生成を抑える成分が入った美容液をスキンケアにプラスするなど日ごろから対策することが大切です。
アイエムワイにもおすすめのアイテムがたくさんあります♪

まとめ

お顔のシミができたり、目立つようになってくると憂鬱な気分になったり、シミを隠すためにファンデーションが厚塗りになりやすかったりしますよね。
毎日のケアでメラニンを蓄積させないクリア肌を目指してください。

この記事の監修

【株式会社アイ.エム.ワイの総括製造販売責任者】
薬剤師の資格を持ち、アイエムワイ製品の製造販売において総括的な責任者。専門的な知識をもってTOPICSを監修しています。


【参考資料】
・藤田恒夫著、入門人体解剖学改訂第5版(南江堂)、p326-329
・船坂 陽子、日本香粧品学会誌、しみのメカニズムから治療まで、47 巻 2 号 p. 117-126(2023)
・船坂陽子:シミの理論.最新美容皮膚科診療ナビゲーション(秋田浩孝編).学研メディカル秀潤社,東京,2018, pp. 40–45.
・Nakayama, K.et al: Three dimensional imaging of the hyperpigmented skin of senile lentigo reveals underlying higher density intracutaneous nerve fibers. J. Dermatol. Sci., 102: 72–75, 2021.
・https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv000000fxrj.html シミ部位で皮膚の真皮にメラニンが蓄積する メカニズムを解明!
・水野 優起、順天堂医学、顔がシミだらけにならないようにするためのお話、52 巻 3 号 p. 437-442(2006)
・萩原 康子、女性ホルモンが皮膚のターンオーバーに及ぼす影響の検討-表皮細胞の生成・成熟・剥離過程に及ぼすエストラジオールの効果、KOBE COLLEGE STUDIES 60 (1), 33-50(2013)
・塚本克彦、J Visual Dermatol 3 1066-1073,(2004)